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観光需要の急回復とともに一時的な人手不足も見られる旅行業界ですが、コロナ禍をきっかけに将来への不安を感じ、異業種への転職を考える人が増えています。
かつては「旅行業界での経験は他業種で通用しにくい」と思われがちでしたが、近年ではそのスキルを高く評価する業界も多く、実際に多くの人が異業種へのキャリアチェンジを果たしています。
本記事では、旅行業界から異業種へ転職した人がどの業界を選んでいるのか、異業種転職に向けて身につけておくべきスキルについてご紹介します。
出典
本記事で掲載しているデータやグラフについては、「異業種転職の実態調査 | RECRUIT AGENT」を参考にしています。
異業種転職とは?異業種からのキャリアチェンジも当たり前に

働き方が多様化する昨今、異業種への転職はごく一般的なキャリア選択肢となっています。
ここでは、リクルートエージェントが2024年に実施した「異業種転職の実態調査」のデータをもとに、異業種転職の実情とその背景について解説していきます。
前職とは異なる業種に転職すること
異業種転職とは、前職とまったく異なる業界・業種へキャリアを移すことを指します。
たとえば、旅行業界からIT業界、サービス業から製造業といったように、業務内容や職種の枠を超えて新たな分野に挑戦するケースです。
業界特有の慣習や知識を一から学び直す必要がある一方で、自分の強みや経験を新しい視点で活かせる可能性が広がります。
転職者の51.4%が異業種へキャリアチェンジしている
リクルートエージェントが2024年に実施した調査によると、転職経験者のうち51.4%が異業種への転職を実現しており、今や半数以上の人が業界をまたいでキャリアを築いています。
これは業界横断的な人材ニーズの高まりや、スキルの汎用化が進んでいることを示しており、旅行業界の経験者にとっても新たな選択肢が広がっている状況です。
旅行・エンタメ業界から多い転職先は?人気業界ランキングTOP5
旅行やエンタメ業界で培われるスキルは、実は多くの業界で高く評価されます。
特に接客力、調整力、トラブル対応力といった「人と関わる力」は、他業種でも即戦力とされやすい要素です。
ここでは、旅行業界出身者が実際に多く転職している業界をランキング形式でご紹介します。
1位:小売・卸売・サービス業界
小売・卸売・サービス業界は、旅行業界からの異業種転職で最も選ばれている業種です。
接客力・コミュニケーション能力・クレーム対応力など、旅行業界で培ったスキルがそのまま活かせるため、スムーズに業務に適応できるケースが多く見られます。
また、マネジメント経験や予約管理のオペレーションスキルを評価する企業も多く、店長候補やエリアマネージャー職などへのステップアップも可能です。
中でもアパレル・家電量販・飲食・宿泊業など、人と関わるシーンが多い職種との親和性が高いのが特徴です。
2位:インフラ・官公庁・その他
鉄道・電力・水道・ガスといった社会基盤を支えるインフラ業界や、安定性の高い官公庁・公益法人などへの転職も注目されています。
旅行業界でのスケジュール管理、リスク対応、正確な事務処理といった経験が評価される傾向があり、事務職・営業職・広報など幅広いポジションにチャレンジすることが可能です。
業務の公共性が高く、社会貢献性や安定志向を重視する人にとっては魅力的な選択肢となります。
民間経験を活かした地方自治体の職員採用なども一部で進んでいます。
3位:物流・運送業界
物流・運送業界は、急速に拡大するEC市場やサプライチェーンの多様化を背景に、人材需要が高まっています。
旅行業界出身者は、ツアー手配や輸送計画の立案といった業務で培ったスケジュール調整力、業務進行管理、顧客対応力が評価されやすく、特に内勤系の物流管理やカスタマーサポート職に適性があります。
また、運送会社や倉庫会社の営業職でも活躍のチャンスがあります。
労働環境の改善も進んでおり、業界全体として異業種からの人材流入に積極的な傾向があります。
4位:機械・電気業界
技術系の専門性が求められるイメージの強い機械・電気業界ですが、実は営業職や事務職、カスタマーサポート職など、文系出身者にも門戸が広く開かれています。
旅行業界でのBtoB営業や顧客との折衝経験、チームマネジメントなどを活かし、商社やメーカーの営業職にキャリアチェンジするケースも見られます。
また、ものづくりや社会インフラに貢献できるという観点から、安定性や社会的意義を求めて転職を決意する人も増えています。
未経験者向けの研修体制が整っている企業も多く、成長意欲次第で活躍の幅は広がります。
5位:IT・通信業界
デジタル化が進む中で、IT・通信業界は依然として人材不足が続いており、異業種からの転職者を積極的に受け入れている業界の一つです。
旅行業界出身者は、顧客視点でのサービス提案力や、トラブル対応能力、柔軟なコミュニケーションスキルが評価され、営業職・サポート職・カスタマーサクセス職などで活躍しています。
さらに、未経験からエンジニア職を目指す人も少なくなく、プログラミングスクールや独学を経て、社内SEやWeb系開発職へ転職するケースも。
成長産業でキャリアを築きたい人にとっては、非常に有望な選択肢です。
異業種転職に向けて身につけたい4つのスキル

異業種へ転職する際には、業界特有の知識以上に「どの業種でも通用する汎用スキル」を持っているかどうかが重要です。
旅行業界で培った経験をベースに、異業種でも即戦力として活躍するためには、以下の4つのスキルを意識的に身につけ、アピールすることが成功へのカギとなります。
コミュニケーションスキル
どの業界においても求められるのが、対人対応の基本となるコミュニケーションスキルです。
旅行業界での接客経験やクレーム対応、チーム間での連携などで磨かれたスキルは、異業種でも高く評価されます。
特に顧客折衝や社内外の調整業務では、相手の意図を正確にくみ取り、適切に伝える力が問われます。
面接では、自身の経験を交えながら「どのような場面で成果を出したか」を具体的に伝えることがポイントです。
ITリテラシー(デジタルツール活用力)
DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中で、Excelやスプレッドシート、チャットツール、クラウドサービスといった基本的なITスキルはどの業界でも必須となっています。
旅行業界で予約管理システムや社内ツールを使っていた経験がある方は、その操作経験を具体的に伝えると効果的です。
また、業務効率化や情報共有の観点から、ITリテラシーの高さは「自律的に働ける人材」としての信頼にもつながります。
課題解決力・ロジカルシンキング
異業種転職では、未経験領域であっても早期に成果を出せる「思考力」や「問題解決力」が問われます。
旅行業界では、予期せぬトラブルや顧客対応に臨機応変に対応する場面が多く、それらの経験は十分にアピールポイントになります。
ただ感覚的に動くのではなく、「なぜそう判断したのか」「どのようなプロセスで解決に導いたか」を論理的に説明できる力が、営業・企画・管理部門などへの転職では重要です。
ビジネスマナー・業界共通のビジネススキル
電話応対やメールマナー、報連相といった基本的なビジネスマナーは、業界を問わず必要とされるスキルです。
また、スケジュール管理、資料作成、会議の進行など、業務を円滑に進めるためのビジネススキルも忘れてはいけません。
旅行業界は業務の幅が広く、スピード感のある対応が求められるため、これらのスキルが自然と身についている方も多いです。
形式だけでなく「相手の立場を考えた行動」ができる人材として評価されます。
まとめ
旅行業界で培った接客力や対応力、チームワークは、異業種でも十分に活かせるスキルです。
特に小売・サービス・インフラ・ITなどの分野では、業界未経験者でも歓迎されるケースが多く、実際に多くの旅行業界経験者が新たな職場で活躍しています。
異業種転職を成功させるためには、自身の強みを明確にし、業界共通のビジネススキルやデジタルリテラシーを磨いておくことが重要です。
これまでの経験を武器に、新たなフィールドでのキャリアを前向きに描いていきましょう。