【PR】本文中に広告リンクが含まれています。
リクルートなどの調査データでは、旅行業界の平均残業時間は月11.8時間と、比較的少ない数値が示されています。
しかし、実際に現場で働いた経験を持つ立場から見ると、その印象とは異なるケースも少なくありません。
繁忙期には残業が常態化し、突発的な対応に追われることも多く、定時退社が難しい日も多々あります。
この記事では、旅行代理店での勤務経験をもとに、表には出にくい旅行業界の残業実態と、働きやすい職場を見極めるための視点を詳しく解説していきます。
コンテンツ
旅行業界の平均残業時間は月11.8時間|本当に少ないのか?データから検証

リクルートエージェントの調査によると、旅行業界の平均残業時間は月11.8時間とされており、他業種と比較しても比較的少ない数字です。
しかし、このデータだけを鵜呑みにして「旅行業界=働きやすい」と判断するのは早計です。
実際に現場で働いた経験からすると、繁忙期の対応や突発的なトラブル処理などで、日によっては長時間労働が発生するケースもあります。
以下では、このデータの信ぴょう性やランキング結果の背景、そして数字と現場感のズレについて掘り下げていきます。
旅行業界の残業データは信頼できる?リクルートエージェント調査の概要
リクルートエージェントの残業時間に関する調査は、2024年1月30日から2月2日にかけて、全国の20歳から59歳までの男女正社員を対象にインターネットアンケート形式で実施されました。
調査期間は短期間ながら、有効回答数は18,002名と非常に多くのサンプルを集めており、幅広い業種・職種のデータが反映されています。
このため、業界ごとの平均残業時間を把握する上で一定の信頼性があると評価できます。
ただし、インターネット調査特有の回答バイアスや、個々の企業や職種によるばらつきは存在するため、あくまで参考値として扱うことが望ましいです。
旅行業界の残業時間11.8時間という数値も、こうした背景を踏まえたうえで理解する必要があります。
旅行業界は残業が少ない?業界ランキング14位の実態をチェック
リクルートエージェントの調査によると、旅行業界の月間平均残業時間は11.8時間で、調査対象の業界の中では14位にランクインしています。
旅行業界はWeb・インターネット業界と同じ数値で、建設業界や専門商社、教育業界などと比べると残業は少なめの部類です。
11.8時間という数値は、月の稼働日数を20日と仮定すると、1日あたり約35分の残業に相当します。
つまり、日常的に定時から30分〜40分程度の残業が続くイメージで、比較的負担が軽いと捉えられます。
ただし、同じ業界内でも企業規模や職種によって差があるため、このランキングだけで一概に働きやすさを判断するのは注意が必要です。
残業時間が少ない業界ランキング
順位 | 業界 | 月間残業時間 |
---|---|---|
1 | アパレル・服飾業界 | 7.5時間 |
2 | 信金・組合業界 | 8.5時間 |
3 | 医療・福祉業界 | 8.6時間 |
4 | 官公庁 | 9.3時間 |
4 | 農林水産業界 | 9.3時間 |
6 | 化粧品業界 | 9.4時間 |
7 | 卸売業界 | 9.8時間 |
8 | アミューズメント・レジャー業界 | 10.3時間 |
9 | 小売業界 | 10.7時間 |
10 | スポーツ業界 | 11.1時間 |
11 | 保険・損保業界 | 11.2時間 |
12 | 総合商社 | 11.6時間 |
13 | 不動産業界 | 11.7時間 |
14 | Web・インターネット業界 | 11.8時間 |
14 | 旅行業界 | 11.8時間 |
16 | 建設業界 | 11.9時間 |
17 | 専門商社 | 12.6時間 |
17 | 日用品業界 | 12.6時間 |
19 | 教育業界 | 13.1時間 |
20 | 機械業界 | 13.4時間 |
20 | 出版業界 | 13.4時間 |
ランキングと現場のギャップに注意!数字だけでは見えない実態とは
平均値では残業が少なく見える一方で、実際に現場で働いていると「残業は多い」と感じる社員は少なくありません。
特に繁忙期や大型連休前後には、問い合わせや手配が集中し、対応に追われて退社が遅くなるのが常です。
また、イレギュラーなトラブル対応や顧客都合によるスケジュール変更など、定時後に発生する業務も多く、平均データには現れにくい残業の実態があるのです。
こうしたギャップを認識しておかないと、入社後に「聞いていた話と違う」と感じる可能性もあるため、慎重な情報収集が欠かせません。
次の章では、なぜこのようなギャップが生まれるのか、旅行業界ならではの業務の特徴や構造的な背景について詳しく解説していきます。
旅行業界の残業が「実際は多い」と感じる理由とは?元社員の体感ベースで解説

表面上のデータでは「残業が少なめ」とされる旅行業界ですが、実際に働いた経験のある人からは「むしろ多い」との声も少なくありません。
ではなぜ、こうしたギャップが生まれるのでしょうか。
この章では、旅行業界特有の働き方や業務の構造に注目し、残業が発生しやすい背景について、元社員の体感ベースでリアルに掘り下げていきます。
顧客対応中心のBtoCビジネスが、残業の発生を招きやすい理由
旅行業界の多くは、一般消費者を相手にする「BtoC(Business to Consumer)」のビジネスモデルです。
個人旅行の相談や問い合わせは、平日の日中だけでなく、仕事終わりの夕方以降や週末に集中する傾向があります。
このため、カウンター対応やメール・電話でのフォロー業務が定時後にズレ込むことも多く、営業時間が終わってもなかなか帰れないという状況が日常的に発生します。
特に予約変更やトラブル発生時には、1件の対応に長時間を要することも少なく有りません。
台風や地震も影響大!旅行業界ならではの残業要因とは?
旅行業界は「天候や自然災害に左右されやすい業種」とも言えます。
台風・地震・大雪などによってフライトや交通機関が運休した場合、その対応に追われるのが旅行会社の宿命です。
当日の行程変更、宿泊先の再手配、現地とのやり取りなどが一気に発生し、通常の業務以上に時間と労力が必要になります。
これらは多くが突発的に起きるため、業務終了間際に対応が始まり、結果として長時間残業になるケースも珍しくありません。
業務のデジタル化が遅れている?アナログ作業が残業の元凶に
旅行業界では、近年こそDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが進みつつあるものの、中小規模の旅行会社を中心に、依然として紙ベースの書類作成や手作業での確認作業が残っています。
手配確認や旅程表の作成、請求書のチェックなど、システムで完結できそうな業務がアナログで行われていることも多く、業務の非効率さがそのまま残業時間に直結してしまいます。
添乗業務は休む暇なし!拘束時間が長くなりがちな理由
旅行業界の中でも特にハードとされるのが「添乗業務」です。
お客様と一緒に移動し、現地の案内やサポートを行うため、基本的に朝から晩までお客様対応に追われることになります。
移動や観光の時間だけでなく、夜間の緊急対応や翌日の確認作業なども発生するため、拘束時間が非常に長くなる傾向があります。
仮に日帰りや1泊2日の短期間のツアーであっても、準備や片付けを含めると実質丸一日以上の労働となるケースもあります。
旅行業界で残業が少ない会社を選ぶ方法|後悔しないための見極め方

旅行業界への転職や就職を考えるうえで、「残業の少なさ」は働きやすさを左右する重要なポイントです。
平均的なデータだけで判断すると、実態とのギャップに驚くこともあるため、企業選びの段階から慎重に見極める必要があります。
ここでは、残業が少ない会社を見つけるための具体的な方法を紹介します。
旅行業界に強い転職エージェントを活用して企業選びの精度を上げよう
旅行業界に精通した転職エージェントを活用することで、表に出にくい職場の実情や、実際に残業が多いか少ないかといった情報を得られやすくなります。
特に大手のエージェントであれば、過去の紹介実績や企業との関係性をもとに、具体的な社風や働き方の傾向について教えてくれることもあります。
求人票だけではわからない内情を知るためにも、第三者視点を取り入れることは重要です。
おすすめの転職エージェント
口コミサイトで企業のリアルな残業実態をチェックする
「OpenWork」などの口コミサイトでは、実際に働いていた(あるいは働いている)社員によるリアルな評価が投稿されています。
中には「残業は少なめで定時退社が多い」「繁忙期は月40時間を超えることも」といった具体的なコメントが見られることもあり、参考になります。
ただし、口コミには主観的な意見も含まれるため、複数の意見を比較しながらバランスよく読み取ることが大切です。
面接では必ず確認を!働き方や残業について聞いておくべき質問ポイント
面接時には、必ず「残業時間の実態」「繁忙期と閑散期の違い」「定時退社の文化があるか」など、働き方に関する質問をしておきましょう。例えば以下のような質問が有効です。
- 「月あたりの平均残業時間はどれくらいですか?」
- 「繁忙期のスケジュールや働き方について教えてください」
- 「イレギュラー対応が発生した場合、どのように業務分担していますか?」
こうした質問を通じて、企業側の回答の内容や姿勢を確認し、実際の働き方と自分の希望がマッチするかを見極めることが大切です。
遠慮せずに質問することで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
まとめ
旅行業界の残業事情は、統計データと現場感にギャップがあるのが実情です。
繁忙期の勤務負荷やアナログな業務体制、外的要因による突発対応など、見た目以上に残業が発生しやすい要素が揃っています。
だからこそ、就職・転職の際には「働き方」や「残業管理の仕組み」までしっかり確認することが重要です。
企業選びにおいては情報収集と質問力がカギ。自分に合った働き方を実現するために、事前の見極めを徹底していきましょう。