旅行業界や航空業界に就職をしたら、まず初めに覚えると言っても過言ではないのが、2レターコードと3レターコードです。
大学を卒業して旅行代理店に勤めた筆者も、研修開始と同時にまずこの2つの暗記を強いられました。
本記事では、2レターコードと3レターコードが何であるのか？実際の業務ではどのように使われるのか？について解説します。
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【基礎知識】2レターコードと3レターコードとはなにか？
2レターコードと3レターコードとは、言葉は似ていますが意味するものは全く異なります。2つの違いは、以下の通りです。
| 2レターコード | 3レターコード |
|---|---|
| 航空会社を識別するための2文字のコード | 空港（都市）を識別するための3文字のコード |
2レターコードは、航空会社を識別する2文字のコードで、例えば日本航空は「JL」、全日本空輸は「NH」と表記します。
一方、3レターコードは空港（都市）を表す3文字のコードで、成田国際空港は「NRT」、羽田空港は「HND」となります。
これらのコードは、航空券の発券や手荷物管理、フライト情報の表示などに利用され、国際的に統一されたルールのもと運用されているのが特徴です。そのため、日本・海外どこに言っても共通の言語として使用することができます。
実際の業務ではどのように使われるのか？
ここからは、2レターコードや3レターコードが実際にどのように業務で使われるのかについて解説します。
旅行業界や航空業界に就職・転職を目指す方は、実際に使われる場面を想像しなからコードの暗記を進めていきましょう。
航空券の予約でつかう
航空券の予約時には、2レターコードと3レターコードが欠かせません。
2レターコードは航空会社を識別するために使用され、先にも解説した通り日本航空は「JL」、全日本空輸は「NH」となります。一方、3レターコードは空港を表し、成田国際空港は「NRT」、ロサンゼルス国際空港は「LAX」など、世界中の空港に固有のコードが付与されています。
航空券の予約システムでは、「JL NRT-LAX」のようにコードを入力することで、便名と出発・到着空港を一目で判別し予約ができるようになっています。
コードを利用することにより、旅行代理店や航空会社のスタッフは、短い時間で正確かつ迅速に予約を処理することが実現しています。
裏を返すと、旅行客が多く訪れるような主要な都市の3レターコード、日本に就航している航空会社の2レターコードは頭に入れておかないと業務が進まないというわけです。
ちなみに、一般消費者向けの航空券検索サイトなどでも3レターや2レターを使っての検索が可能です。
上記は、航空券の比較予約サイトの一つ「スカイスキャナー」の一例ですが、出発地や目的地の部分に都市名ではなく、NRTなどのコードを入れて検索することができます。
日本語で空港名を入れるより、コードで入れたほうが手軽なためぜひ一度使ってみてください。
空港でのフライト情報の案内に使用される
空港では、フライト情報の表示で2レター・3レターコードが活用されています。
搭乗ゲートや出発・到着案内の電光掲示板には、航空会社の2レターコードと便名（例：JL123）、目的地の3レターコード（例：NRT）が記載され、乗客がスムーズに自分のフライトを特定できるようになっています。
※一般の旅行者でも理解ができるよう、名称（東京、日本航空）と併記されるのが通例です。
特に国際線では、言語が異なる乗客が混在するため、世界共通のコードを使うことで混乱を防ぐ役割も果たしています。
また航空会社のスタッフや地上職員は、フライトの遅延やゲート変更などの情報を確認する際に、コードを活用して正確な対応を行います。
コードを理解しているだけで、空港内の様々な情報を正確に理解できるようになるため、旅好きの方もぜひ覚えてみてください。
手荷物のタグに記載される
航空会社では、乗客の荷物を正確に目的地へ運ぶために、手荷物タグに3レターコードを記載しています。
例えば、東京（成田）発ニューヨーク（ジョン・F・ケネディ）行きのフライトでは、タグに「NRT → JFK」と表示され、荷物が適切な空港へ送られるよう管理されます。
これにより、誤配送を防ぎ、乗客の荷物が最終目的地まで正しく仕分けられる仕組みになっています。
また乗り継ぎ便がある場合は、経由地のコードも記載され、荷物が適切に転送されるように手配されます。
空港のグランドスタッフは、このコードをチェックしながら作業を行い、スムーズな手荷物の処理を実現しています。
旅行者として飛行機に手荷物を預ける場合は、必ず目的地の3レターコードと手荷物タグの3レターコードが合っているか確認をしておきましょう。
デジタル化が進み昨今ではあまり誤配送などは起こることが減りましたが、一昔前はアルファベットが一つ違うだけで、全く別な場所に荷物が届けられてしまったという事例も多数ありました。
■間違えやすい、似ている3レターコード
- KIX（関西国際空港） vs. KIJ（新潟空港）
- HND（東京・羽田空港） vs. HKD（函館空港）
- OKA（那覇空港） vs. OIT（大分空港）
- SIN（シンガポール・チャンギ国際空港） vs. SNN（シャノン空港・アイルランド）
- ORD（シカゴ・オヘア国際空港） vs. ORF（ノーフォーク国際空港・アメリカ）
- DEL（デリー・インディラ・ガンジー国際空港・インド） vs. DXB（ドバイ国際空港・UAE）
参考：2レターコードの一例
コードの意味や実際に使われる業務のイメージが持てたところで、2レターコードの一例についても合わせて紹介します。
2レターコードは世界各地で就航している航空会社のすべてが持つコードです。ここに記載のない航空会社については、「2レターコード+航空会社名」などで検索をしてみてください。
また航空券の予約システムを提供しているINFINIが公開している「航空会社コード｜INFINI FOREST」でも多数の情報を確認することが可能です。合わせてチェックしてみてください。
日本の国内線に就航している主な航空会社の2レターコード
日本の国内線に就航している主な航空会社の2レターコードは以下の通りです。
日本航空：JL（Japan Airlines）などの航空会社のアルファベット表記の2文字を取ったものや、スカイマーク：BCなど特に意味合いを持たないで設定がされている航空会社など様々です。
旅行会社や航空会社へ就職・転職を目指すのであれば、暗記は必須のため自分自身でこじつけを考え覚えていくことをおすすめします。
例えば、北海道国際航空（エア・ドゥ）はHookaiDoだからHD、ピーチ・アビエーションはMoMoだからMMといった具合です。
ぜひオリジナルの覚え方を見つけていきましょう！
| 航空会社名 | 2レターコード |
|---|---|
| 全日本空輸（ANA） | NH |
| 日本航空（JAL） | JL |
| スターフライヤー | 7G |
| スカイマーク | BC |
| IBEXエアラインズ | FW |
| ジェットスター・ジャパン | GK |
| 北海道国際航空（エア・ドゥ） | HD |
| フジドリームエアラインズ | JH |
| ピーチ・アビエーション | MM |
| 天草エアライン | MZ |
| 日本トランスオーシャン航空 | NU |
| オリエンタルエアブリッジ | OC |
| ソラシドエア | 6J |
日本に就航している主な海外の航空会社の2レターコード
日本に就航している主な海外の航空会社の2レターコードは以下の通りです。
比較的新しい航空会社ではアルファベットだけでなく、数字も併記した2レターコードが採用されています。
例）セブパシフィック航空：5J
| 航空会社名 | 2レターコード |
|---|---|
| エールフランス航空 | AF |
| フィンエアー | AY |
| ITAエアウェイズ（旧：アリタリア航空） | AZ |
| ブリティッシュ・エアウェイズ | BA |
| エバー航空 | BR |
| キャセイパシフィック航空 | CX |
| デルタ航空 | DL |
| エミレーツ航空 | EK |
| 大韓航空 | KE |
| ルフトハンザ ドイツ航空 | LH |
| 中国東方航空 | MU |
| アシアナ航空 | OZ |
| フィリピン航空 | PR |
| カンタス航空 | QF |
| カタール航空 | QR |
| シンガポール航空 | SQ |
| タイ国際航空 | TG |
| ユナイテッド航空 | UA |
| 香港エクスプレス航空 | UO |
| セブパシフィック航空 | 5J |
参考：3レターコードの一例
3レターコードを覚える際に注意をしなければならないのが、都市コードと空港コードの2つがあるということです。
一つの都市に複数の空港がある場合は、都市コードと空港コードが異なるため、それぞれ何を意味しているのかしっかりを覚えておく必要があります。
また実際の業務では、2つの空港の位置関係や市内中心部からの距離、就航している航空会社なども覚えてお客様に案内をする必要があるため、高度な知識が求められます。
日本の国内の3レターコード
日本国内の主要都市の3レターコードは以下の通りです。
東京や大阪など、複数の空港がある場合は都市コードと空港コードが異なります。
| 都市コード | 空港コード |
|---|---|
| 東京（TYO） | ・HND（羽田空港） ・NRT（成田国際空港） |
| 大阪（OSA） | ・KIX（関西国際空港） ・ITM（大阪国際空港／伊丹空港） |
| 名古屋（NGO） | ・NGO（中部国際空港／セントレア） ・NKM（名古屋飛行場／小牧空港） |
| 札幌（SPK） | ・CTS（新千歳空港） ・OKD（丘珠空港） |
| 福岡（FUK） | ・FUK（福岡空港） |
海外の3レターコード
海外の主要都市の3レターコードの一例は以下の通りです。
ニューヨークやロンドンでは、1つの都市に3つの空港があります。日本国内とは異なり、はじめの頃はなかなか土地勘も掴みづらいため、Google MAPなどを活用し位置関係を頭に入れておくと暗記がスムーズです。
| 都市コード | 空港コード |
|---|---|
| ニューヨーク（NYC） | ・JFK（ジョン・F・ケネディ国際空港） ・LGA（ラガーディア空港） ・EWR（ニューアーク・リバティー国際空港） |
| ロンドン（LON） | ・LHR（ロンドン・ヒースロー空港） ・LGW（ロンドン・ガトウィック空港） ・LCY（ロンドン・シティ空港） |
| パリ（PAR） | ・CDG（シャルル・ド・ゴール空港） ・ORY（オルリー空港） |
| 上海（SHA） | ・PVG（上海浦東国際空港） ・SHA（上海虹橋国際空港） |
| バンコク（BKK） | ・BKK（スワンナプーム国際空港） ・DMK（ドンムアン空港） |
まとめ
旅行会社への就職・転職を目指すのであれば知っておきたい、2レターコード、3レターコードについて解説をしました。
本記事で紹介した内容を改めてまとめると、以下の通りです。
・3レターコードは、空港（都市）を表す
2レターコードや3レターコードは数え切れないほどの数があるため、毎日少しずつでもいいので覚える努力をしていきましょう。
はじめは旅行者の多いアジア圏、アメリカ、ヨーロッパなど主要エリアから攻めていくのが効率的です。
ぜひ本記事が、旅行業界への就職・転職を目指す方の役に立てば光栄です。
