航空券の名前を間違えたら変更できる? トラブル時の対処法を詳しく解説!

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インターネットを通じた旅行予約が一般的になったことで、旅行会社に寄せられる問い合わせの中で特に増えているのが 「航空券の予約時に名前を間違えた」 というものです。

一般の旅行者にとっては「すぐに修正できるのでは?」と思われがちですが、航空券の名前は 非常に重要な情報であり、簡単に変更することはできません。

本記事では、旅行業界への就職・転職を考えている方はもちろん、旅行を予定しているすべての方に向けて、航空券の名前に関するトラブルとその対処法を解説します。

結論として、航空券の名前は基本的に修正できません。 修正できる場合でも 手数料が発生することがほとんどなので、予約時には 正しい名前を入力することが何より重要です。

航空券に記載する名前のルールについて

まず初めに、 航空券の予約時に登録する名前の基本ルール について解説します。

航空券の名前の取り扱いには、 国際線と国内線で異なるルールがあるため、それぞれのケースを正しく理解しておくことが重要です。

どちらの場合でも、 誤った名前で予約するとトラブルの原因になるため、事前にしっかり確認し、正確に入力しましょう。

国際線の航空券の名前はパスポートに記載の名前・性別と一致が必要

航空券の名前は、 搭乗者を特定するための重要な情報の一つです。

特に国際線では、出国・入国審査があるため、 パスポートに記載されている氏名と完全に一致していることが、航空機に搭乗するための必須条件となります。そのため、 パスポートの表記と異なる名前では飛行機に乗ることができません。

では、なぜここまで厳格なルールが設けられているのでしょうか?その理由の一つは、航空会社の責任にあります。

万が一、名前が間違った状態で出国し、目的地の空港で入国が認められなかった場合、航空会社はその旅客を出発地の空港まで送り返す義務があります。この際、新たな座席の確保や手続きの費用が発生し、航空会社にとって大きな負担です。

そのため、航空会社や空港では搭乗前の厳格なチェックを徹底し、入国時のトラブルを未然に防ぐ努力を行っています。

国内線も正しい名前で予約する必要があり

国内線の航空券でも、正しい氏名で予約することが重要です。

国内線では身分証等の提示はありませんが、誤った名前、ニックネームや通称を入力したりすると、搭乗手続きで混乱を招くことがあります。

航空各社のホームページでも、「搭乗者名が違うままでの航空券の使用はできません。」と案内が出されています。

ここからは補足です。

このような運用ルールはあるものの、空港でのチェックは基本的に行われていないため、現実的な話をすると、間違ったままでも飛行機に乗れてしまっているケースは多いようです。

ただし、抜き打ちでの身分証のチェック、事故等が発生した際に航空会社から補償を受けることになったといった場合に、トラブルとなるケースがあります。

特に事故の際の補償については、金銭にも関わるとなるため、誤った状態の航空券は放置せず、適切な対応を取ることが重要です。

航空会社が定めるルールにも明確な記載あり

航空券の名前の取り扱いについては、各航空会社や旅行会社の公式サイトに明確なルールが記載されています。(決して筆者の独自の見解ではなく、公式に定められた規定です。)

多くの場合、航空券の名前は基本的に訂正不可となっており、一部の修正が可能な場合でも手数料が発生するケースが一般的です。

そのため、 予約やサービスを利用する前に、必ず各社のルールを把握しておくことが重要です。実際に、規定を理解しないまま予約し、トラブルに発展するケースが後を絶ちません。

また、航空券や旅行の予約を行う際、利用者は 各サイトの利用規約に同意したうえで手続きを進めることになります。したがって、 「読んでいなかった」「知らなかった」では済まされないのが現実です。

スムーズに旅行を楽しむためにも、 事前に公式の規定をしっかり確認し、慎重に予約を行うことを心がけましょう。

各社の航空券の名前に関する規定についてこちら

航空券の名前を間違えた場合はどうすればよいのか?

航空券の名前を間違えてしまった場合、基本的に簡単に修正することはできません。

航空会社や予約の状況によって対応が異なるため、適切な対処方法を知っておくことが大切です。

ここでは、名前の間違いに対する主な対応策を解説します。

原則は、キャンセルをして再度の予約が必要

多くの航空会社では、 航空券の名前の変更は認められておらず、修正ができない場合がほとんどです。

そのため、名前を間違えた場合は一度キャンセルし、新たに正しい名前で予約を取り直す必要があります。

特に国際線ではパスポートの氏名と完全に一致 していなければ搭乗できないため、たとえ1文字のスペルミスであっても、搭乗拒否となるケースがあることを覚えておきましょう。

キャンセル料が高額になる場合もあるので注意

航空券のキャンセルにはキャンセル料が発生する場合があり、特に格安航空券(LCCなど)の場合は払い戻しが一切できないこともあります。

また、通常の航空券でも、出発日が近いほどキャンセル料が高額になる傾向があるため、間違いに気づいたらできるだけ早く対応することが重要です。

予約時には、 キャンセルポリシーを事前に確認しておくことも大切です。

例えば、HISで販売されていた以下の30,320円の航空券の場合、キャンセル規定を見てみると予約同時に11,000円のキャンセル料が発生することがわかります。

引用:HIS公式サイト

一部の航空会社では手数料を支払うことで変更を受け付けている場合もある

一部の航空会社では、 軽微なスペルミスや誤入力に限り、手数料を支払うことで修正を受け付けている場合があります。 例えば、1~2文字程度の修正であれば対応可能なケースが多いです。

ただし、 修正が認められる範囲や手数料は航空会社ごとに異なるため、必ず直接問い合わせて確認する必要があります。

以下は、香港の航空会社「キャセイ・パシフィック航空」の事例です。軽微な修正であれば、手数料および料金が発生する場合もあるが、訂正可能と記載されています。

フライト予約の名前が間違っています。訂正するにはどうすればよいですか?

キャセイパシフィックで購入された航空券の場合、渡航書類のコピーと予約番号をご提供いただくことで、次の変更*が可能です。

  • ミドルネームの追加または削除
  • 姓、名前、ミドルネームの入れ替え
  • 氏名の欠字部分の追加
  • 氏名の入力ミスの修正
  • 敬称/性別の修正
  • 婚姻、離婚、養子縁組などの法的な理由による氏名の変更(氏名変更前の書類と新姓が記載された書類に記載された生年月日を確認させていただきます)

お客様情報を更新するには、カスタマーケアまでご連絡ください。

旅行会社を通じて購入した航空券の変更については、旅行会社に直接お問い合わせください。

*手数料および料金が発生する場合があります。

引用:キャセイ・パシフィック公式サイト

航空券の名前のミスが発生した場合、最終的に変更できるかどうかは航空会社や旅行会社の判断によります。

そのため、名前の誤りに気づいた際には、 自己判断で進めるのではなく、まずは予約元に問い合わせて確認することをおすすめします。

旅行会社で予約した航空券の問合せは、旅行会社に行う

旅行代理店やオンライン旅行予約サイト(OTA)を通じて航空券を予約した場合、名前の修正や変更に関する問い合わせは、予約した旅行会社に行う必要があります。航空会社では対応できないため、注意が必要です。

これは、航空券の販売契約が「予約者」と「旅行会社」の間で結ばれているためであり、手続きは各旅行会社の規定に従って行われます。

一般の旅行者からすると、「航空会社で直接対応してもらえないのか?」と疑問に思うかもしれません。しかし、実際にはそうではありません。

例えば、スーパーで購入した「りんご」に傷があった場合、直接生産者の農家にクレームを入れる方は少ないでしょう。通常は、購入したスーパーに問い合わせますよね?航空券の名前修正もこれと同じ考え方です。

旅行会社ごとに対応可能な範囲や手続きの詳細は異なるため、まずは予約元のカスタマーサポートに相談することが重要です。

おまけ:変更にはなぜ手数料がかかるのか?

航空券の名前を修正する際に手数料が発生するのは、多くの旅行者にとって疑問に感じる点かもしれません。しかし、これは単なる追加料金ではなく、航空会社や旅行会社にとって必要な手続きに伴うコストを反映したものです。

まず、航空券の発券後に名前を変更する場合、航空会社のシステム上で再発券が必要となることが多いです。

航空券のデータは、航空会社の予約システムに紐づいており、一部を修正するだけでも手間がかかります。また、航空会社ごとに定められたルールに従い、適切な手続きが行われているかを確認する作業も発生します。

さらに、航空券の価格は変動制であるため、名前を修正する際に再計算が必要になるケースもあります。

特に、元の予約クラスが売り切れている場合、新たな運賃規則に基づき再発券されるため、追加料金が発生することがあります。

また、旅行代理店やOTAを通じて予約した場合、彼らのカスタマーサポートが変更手続きを代行することになります。

そのため、手続きの手間や対応コストが手数料として上乗せされることも一般的です。

このように、名前の変更にはさまざまなシステム処理や人手を伴うため、手数料が発生します。

余計な費用負担を増やさないためにも、旅行を予約する際は、注意をして手続きを行いましょう。

航空券の予約でよくある、間違いパターン

最後に、航空券や旅行を予約する際に 間違いを防ぐために、実際によくある事例をいくつかご紹介します。

「自分は大丈夫!」と思っている方も、 どのようなミスが発生しやすいのかを知ることが予防の第一歩です。

ぜひ以下の事例をチェックして、安心して旅行を楽しめるよう準備を整えましょう。

姓名を逆転して予約している

引用:JTB公式サイト

まず、最も多いミスのひとつが「姓」と「名」を逆に入力してしまうケースです。

ローマ字で名前を記入する際、日本語と異なる並びになることがあるため、誤って入力してしまう人が多いと考えられます。

航空券には 「姓 + 名(例:YAMADA TARO)」 の順で名前が印字されるため、 逆に入力しないよう注意が必要です。

また、名前を入力する際は 「姓」と「名」の欄が必ず分かれているので、指示に従って正しく入力しましょう。

なお、旅行予約サイトによって 「姓」と「名」の表示方法が異なることがあります。以下の一覧を参考にし、事前に確認することをおすすめします。

・名字
・Family name
・Last name
・名前
・Given name
・First name

性別を間違えて予約している

引用:カンタス航空公式サイト

国際線の航空券では、名前だけでなく性別の入力が求めらます。

名前同様に性別も間違って入力をすると、パスポートの情報と不一致とみなされ航空機に搭乗することができません。

日本の旅行会社や日系の航空会社の場合は、「MR(男性)」と「MS(女性)」など日本語表記されているためわかりやすいですが、外資系の航空会社の予約については特に注意をしてください。

上記はカンタス航空の公式サイトの予約画面ですが、「MS(男性)」と「MS(女性)」以外にも様々な選択肢が用意されています。

一般的に日本人の場合は、大人の男性・女性、子どもの男性・女性の4択しか使いませんので、どれを使うかは下記の表も合わせてご確認ください。

年齢・性別選択肢
12歳以上の男性(大人)MR
12歳以上の女性(大人)MR
0歳〜11歳までの男の子(子供・幼児)MSTR
0歳〜11歳までの女の子(子供・幼児)MISS

スペルを間違えて予約している

航空券の名前は、 パスポートの表記と完全に一致している必要があります。

スペルを一文字でも間違えると、 搭乗できない可能性 もあるため注意が必要です。

例えば、「Taro」を「Tero」、「Yamada」を「Yamda」などと誤入力するケースが多いです。

またパスポートで使用するアルファベットはヘボン式ローマ字を採用しており、パソコンの入力などで使用されるローマ字とは一部異なります。

例)ヘボン式ローマ字では、「し(SHI)」・「ち(CHI)」・「つ(TSU)」「ふ(FU)」と表記されます。
「SI」・「TI」・「TU」・「HU」とはなりません。

パスポートの申請前にこれを知らず航空券を予約すると、いざパスポートが発行された際に予期せぬ表記となる場合があります。

パスポートをこれから発行される方は、ぜひ自分の名前がどのような表記で記載されるか、パスポートセンターなどの公式ホームページで確認をしておきましょう。

神奈川県パスポートセンターのWEBサイトなどは、わかりやすく情報を掲載しています。

旧姓のまま予約している

結婚や離婚によって姓が変わったにもかかわらず、 旧姓のままで航空券を予約してしまうケースは少なくありません。(その逆に、新姓で予約してしまうミスもあります。)

パスポートの氏名と航空券の氏名が 完全に一致していることが搭乗の必須条件です。

もしパスポートが旧姓のままであれば、航空券も旧姓で予約する必要 があります。一方で、すでに新姓に変更済みなら、航空券も新姓で予約しましょう。

特にハネムーン旅行を計画している方に多いミスなので、旅行に使うパスポートが旧姓・新姓のどちらで発行されているのか を事前にしっかり確認しておくことが重要です。

余計な文字を誤って入れて予約している

スマートフォンで航空券を予約する機会が増えたことで、 名前の入力時に不要なスペースや誤字が混入するケースも増えています。

例えば、以下のようなミスがよく見られます。

  • 「Yamada」→ 「Yamdaa」(余分な「a」)
  • 「Taro」→ 「Taaro」(不要な「a」)

アルファベットが並んでいると入力ミスに気づきにくいため、予約完了前の確認画面では必ず手を止めて慎重にチェックをしましょう。

特に、スマホの自動入力機能が誤作動を起こすこともあるため、しっかり見直すことが大切です。

まとめ

本記事では、航空券の名前に関するトラブルとその対応事例について解説しました。

本記事で紹介した内容を改めてまとめると、以下の通りです。

まとめ・航空券の名前は基本的に変更できない
・変更には手数料が発生する場合が多い
・予約時に、名前の確認は必須

インターネットの普及により、今では誰でも簡単に旅行の予約ができるようになりました。しかし、名前や性別の入力ミスによって、旅行に行けなくなったり、追加費用が発生したりするケースも少なくありません。

そのため、予約時には入力内容を慎重に確認することが重要です。また、万が一間違えてしまった場合に備え、変更やキャンセルの規定もしっかりと確認しておきましょう。

事前に少しの手間をかけることで、余計なトラブルを未然に防ぎ、安心して旅行を楽しむことができます。

ぜひ本記事が、旅行業界への就職・転職を目指す方の役に立てば光栄です。

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