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旅行会社のビジネスモデルは、一見すると単純に見えますが、実際の収益構造は複雑であり、業界に携わる者でなければ理解しづらい部分が多くあります。
旅行会社の収益の大きな柱となるパッケージツアーを一つとっても、様々なステークホルダーを通してお客様の元に商品として届けられています。
旅行会社への就職・転職を目指す方にとって、こうした業界の収益構造を理解することは必要不可欠です。
本記事では、パッケージツアーの構成要素を整理し、航空券・ホテル・送迎・観光といった各パーツがどのように仕入れられ、どのように利益を生み出しているのかを詳しく解説します。
旅行会社のビジネスの裏側を知ることで、業界への理解を深め、将来のキャリアに役立てていただければと思います。
パッケージツアーの構成要素について
パッケージツアーは、旅行会社の主力商品であり、収益を支える重要なビジネスモデルの一つです。
旅行会社への就職や転職を目指すのであれば、ツアーがどのような要素で構成され、どのように利益を生み出しているのかを理解しておくことが不可欠です。
下記は、パッケージツアーを構成する要素(航空券やホテルなど)を簡単にまとめたものです。

パッケージツアーは、「航空券+ホテル+送迎(※1)+観光(※1)」の4つの要素で構成されており、旅行者にはこれらをすべて含んだ料金で販売されます。
個別に手配するよりも手頃な価格で利用できることが、多くの旅行者に選ばれる理由の一つです。
販売に当たり旅行会社は、航空会社やホテル、送迎会社、現地の観光業者などからこれらのサービスを仕入れ、そこに利益を上乗せしたうえで販売価格を設定します。
団体契約を活用することで、仕入れコストを抑えつつ、旅行者にとって魅力的な価格を実現することがポイントとなります。
パッケージツアーの構成要素を理解したところで、次の章では、それぞれのパーツがどのように収益につながるのかを詳しく解説していきます。
ビジネスモデルを深く知ることで、業界の仕組みや収益構造がより明確にしていきましょう。
※1:パッケージツアーの内容によっては、送迎や観光が含まれない場合もあります。
パーツ別の収益構造について
旅行会社のビジネスモデルは、ツアーを構成する各パーツ(航空券、ホテル、送迎・観光など)を仕入れ、販売価格を設定することで利益を得る仕組みです。
しかし、業界全体が価格競争の激しい環境にあるため、一つひとつのパーツでの利益率は低く、薄利多売の戦略を取らざるを得ません。
ここでは、それぞれのパーツがどのように利益を生み出しているのかを詳しく解説します。
航空券の収益構造について

旅行会社がお客様に航空券を提供するまでには、主に3つの仕入れルートがあります。
「航空会社との直接契約」・「GDS(グローバル・ディストリビューション・システム)を利用した予約」・「ホールセール業者(航空券の卸売業者)を通じた購入」です。
これらのルートは、それぞれ仕入れコストや流通経路が異なり、どの方法を選ぶかによって販売価格にも影響を与えます。
一般的に、仲介業者が増えるほど手数料が発生し、最終的な販売価格が高くなる傾向にあります。
航空会社との直接契約

旅行会社が航空会社と直接契約を結び、航空券を仕入れる方法です。
大手旅行会社や一定の販売実績を持つ企業が、このルートを活用することが多く、航空会社から特別な割引運賃(包括旅行運賃)を提供されるケースがあります。
メリット
- 通常の公示運賃よりも安価な特別運賃を仕入れることが可能
- 旅行会社独自のツアーや商品に組み込みやすい
- 航空会社と直接交渉できるため、柔軟な対応が可能
デメリット
- 一定数の販売ノルマが設定されることがあり、売れ残りリスクがある
- 支払い条件やキャンセルポリシーが厳しい場合がある
- ある程度の販売量が見込める、実績のある旅行会社でなければ契約が難しい
GDS(グローバル・ディストリビューション・システム)を利用した予約
GDSとは、世界中の航空会社の空席情報を検索し、予約・発券ができる国際的なシステムです。
代表的なGDSには「アマデウス」「セーバー」「トラベルポート(旧ガリレオ)」などがあります。
メリット
- 航空会社ごとの運賃や空席をリアルタイムで比較できる
- 特定の航空会社と契約がなくても予約・発券が可能
- 需要に応じて適切な航空券を手配できる柔軟性がある
デメリット
- 仕入れコストが直接契約に比べて高くなる場合がある
- GDSの利用にはシステム手数料が発生する
- 特別運賃の設定がないため、価格競争力に劣ることがある
ホールセール業者(航空券の卸売業者)を通じた購入
ホールセール業者は、航空会社から大量の座席をまとめて仕入れ、旅行会社に卸売りする事業者です。
旅行会社は、ホールセール業者を経由することで、一般的な公示運賃よりも安価な航空券を仕入れることができます。
また自社で発券のできない航空会社の予約に利用をする場合もあります。
メリット
- 航空会社と直接契約がなくても、割引運賃の仕入れが可能
- 少ない販売量でも利用しやすい
- 価格交渉の手間を省ける
デメリット
- ホールセール業者の手数料が上乗せされるため、直接契約より割高になることがある
- 在庫の確保が難しく、希望の便が手配できない場合がある
- キャンセルや変更の際、対応が煩雑になることがある
ホテルの収益構造について
ホテルの仕入れ方法は、大きく分けて「直接契約」・「予約サイト(OTA)経由」・「ホールセール業者経由」の3つです。
予約をする際に使うシステムの名称は変われど、航空券の仕入れと大きな違いはありません。

旅行会社がホテルと直接契約を結ぶ場合、年間を通じて一定の客室を確保する「アロットメント契約」を結ぶことが一般的です。
この契約により、一般的な宿泊料金よりも安く仕入れることができ、販売時に一定の利益を確保できます。しかし、販売できなかった場合のリスクも伴います。
一方、オンライン予約サイト(OTA)経由でホテルを手配する場合、手軽に予約が可能ですが、手数料を支払う必要があり、利益率は低くなります。
また、ホールセール業者を介して仕入れる場合、団体向けの割引が適用されることが多いものの、業者のマージンが加算されるため、直接契約よりも収益性は下がります。
旅行会社にとって、ホテルの収益構造は非常に重要であり、契約形態や販売戦略によって利益率が大きく変わります。
特に、団体ツアーではホテルの仕入れ価格が全体のコストに大きな影響を与えるため、仕入れ交渉力が求められます。
送迎・観光の収益構造について
送迎や観光オプションは、旅行会社にとって収益を確保しやすい分野の一つです。
主に「自社主催の送迎・観光」・「現地の送迎会社やアクティビティ会社との直接契約」・「予約サイト(OTA)経由」・「ランドオペレーター経由」の4つの方法で手配されます。

自社主催の送迎・観光

旅行会社が自社でバスや車両を手配し、ガイドやドライバーを雇用して運営する方法です。
この場合、外部業者への支払いが発生しないため、利益率が最も高くなります。
また、自社独自のプランを組むことで、他社との差別化を図ることが可能です。ただし、運営コストがかかるため、一定の販売数が確保できることが前提となります。
JTBやHISなど、世界各地に支店を持つ旅行業者ではこのビジネスモデルを採用しているケースが多いです。
現地の送迎会社やアクティビティ会社との直接契約
現地のバス会社やハイヤー会社、観光アクティビティの運営会社と契約し、サービスを仕入れる方法です。
旅行会社が一定の送客を保証することで、割引価格で契約を結ぶことができ、比較的高い利益率を確保できます。
ただし、現地業者との交渉力や契約条件によって、収益性が左右されるため、取引先の選定が重要になります。
予約サイト(OTA)経由
「Viator」や「GetYourGuide」などのオンライン予約サイトを活用し、送迎や観光オプションを手配する方法です。
旅行会社はOTAを通じて手軽に現地ツアーを仕入れることができるため、契約交渉の手間が省けるメリットがあります。
しかし、OTA側の手数料が発生するため、利益率は低めとなり、価格競争が激しい点も課題です。
ランドオペレーター経由
ランドオペレーター(現地手配会社)を介して送迎や観光を手配する方法です。
旅行会社が個別に現地業者と契約する必要がなく、一括で手配できるため、業務の効率化が図れます。
ただし、ランドオペレーターが仲介手数料を上乗せするため、直接契約よりも仕入れコストが高くなり、利益率は低下します。
また、他社と同じ商品を扱うことが多く、差別化が難しい点がデメリットです。
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まとめ
旅行会社の収益構造は、単にツアーを販売するだけではなく、航空券、ホテル、送迎・観光といった各パーツの仕入れ方法や販売戦略によって大きく変わります。
特に、航空券の販売は利益率が低く、価格競争が激しいため、ホテルや観光オプションなど利益率の高い商品と組み合わせた販売手法が求められます。
また、直接契約やホールセール業者を活用することで、仕入れコストを抑える工夫も重要です。
近年では、オンライン予約サイト(OTA)の普及やLCC(格安航空会社)の台頭により、旅行会社の収益モデルは変化し続けています。
従来のパッケージツアーに依存するだけでなく、オプショナルツアーの提案や、独自性のある商品の開発を行うことで、収益を最大化することが求められています。
旅行業界で活躍するためには、単なる接客スキルだけではなく、こうした業界の収益構造を深く理解し、戦略的な視点を持つことが重要です。
これから旅行業界への就職・転職を考える方は、ぜひこの知識を活かし、業界内でのキャリア形成に役立ててください。