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2025年に入り、旅行業界はインバウンドの回復や円安の継続など、明るい材料も見え始めていますが、株式市場ではその期待が必ずしも株価に直結していない状況も見受けられます。
本記事では、旅行関連銘柄の代表的6社について、2024年8月1日と2025年8月1日の株価を比較し、実際に株価が上がったのか下がったのかを検証します。
さらに、株価の変動要因についても、上昇・下落それぞれの観点から3つずつ整理し、株価の面での旅行業界の現状についてお伝えします。
旅行関連銘柄の株価比較!株価は上がった?下がった?

2024年から2025年にかけて、旅行業界の回復が期待される中、代表的な旅行関連銘柄6社の株価はどのように推移したのでしょうか。
ここでは各企業の事業内容に触れつつ、2024年8月1日と2025年8月1日の終値を比較し、1年間でどれほどの値動きがあったのかを検証していきます。
回復基調が見込まれる業界にもかかわらず、全体としては下落傾向が目立つ結果となりました。
エイチ・アイ・エス(証券コード:9603)
エイチ・アイ・エスは海外旅行を中心とした大手旅行代理店で、変なホテルなどのホテル事業も展開しています。
新型コロナからの需要回復により業績は改善傾向にあるものの、株価は2024年8月1日時点の1,737円から2025年8月1日には1,462円へと275円下落しました。
需要回復が一巡し、株式市場では利益確定売りや今後の成長性に対する慎重な見方が反映された可能性があります。
2024年 8月1日 終値 | 2025年 8月1日 終値 | 変動(円) |
---|---|---|
1,737円 | 1,462円 | -275円 |
エアトリ(証券コード:6191)
エアトリは、国内外の航空券やホテルのオンライン予約サービスを主軸とするIT系旅行会社です。
法人向けサービスやIT投資も積極的ですが、株価は1,358円から936円へと422円の大幅下落。
利益率の低下や成長戦略への懐疑的な見方が影響したと考えられます。
2024年 8月1日 終値 | 2025年 8月1日 終値 | 変動(円) |
---|---|---|
1,358円 | 936円 | -422円 |
アドベンチャー(証券コード:6030)
アドベンチャーは、オンラインで航空券やホテルを予約できる旅行予約サイト「skyticket(スカイチケット)」を運営している企業です。
利便性の高い予約プラットフォームとして注目を集めてきましたが、株価は2024年8月1日の5,020円から2025年8月1日には3,360円へと大幅に下落(-1,660円)。
成長鈍化への懸念や収益性の不安定さが市場に意識された可能性があります。
2024年 8月1日 終値 | 2025年 8月1日 終値 | 変動(円) |
---|---|---|
5,020円 | 3,360円 | -1,660円 |
オープンドア(証券コード:3926)
オープンドアは、旅行比較サイト「トラベルコ」を運営している企業で、複数の旅行会社の商品を横断的に比較・検索できるサービスを提供しています。
ユーザーの利便性を高める設計で多くの旅行者に利用されてきましたが、2024年8月1日の終値794円から、2025年8月1日には515円へと下落(-279円)しました。
特に2025年前半は海外旅行需要の鈍化や国内旅行者数の伸び悩みといった外部環境の影響を受け、業績への懸念が株価に反映された推測できます。
2024年 8月1日 終値 | 2025年 8月1日 終値 | 変動(円) |
---|---|---|
794円 | 515円 | -279円 |
旅工房(証券コード:6548)
旅工房は、個人旅行に特化したオンライン型の旅行会社で、オーダーメイド型の旅行プランの提案を強みとしています。
特にカスタマイズ志向の高い層から一定の支持を集めてきましたが、2024年8月1日の終値212円から、2025年8月1日には165円へと下落(-47円)しました。
独自性のある商品展開が評価される一方で、持続的な成長への課題が株価にも反映されています。
2024年 8月1日 終値 | 2025年 8月1日 終値 | 変動(円) |
---|---|---|
212円 | 165円 | -47円 |
ベルトラ(証券コード:7048)
ベルトラは現地体験ツアーの予約サイトを運営しており、訪日外国人向けの体験型サービスも強化しています。
2024年8月1日には426円だった株価が、2025年8月1日には300円まで下落し、126円のマイナスとなりました。
市場全体の不透明感に加え、単価の低い商品構成が収益性に影響したと考えられます。
2024年 8月1日 終値 | 2025年 8月1日 終値 | 変動(円) |
---|---|---|
426円 | 300円 | -126円 |
株価が上昇している銘柄に見られる3つの主な原因

旅行関連銘柄の中には、一時的に株価が上昇したケースも見られました。
そうした銘柄には共通する要因が存在します。
ここでは、株価上昇につながりやすい3つの代表的な要因を整理し、投資家や市場がどういった材料を重視しているかを読み解いていきます。
業績好調が株価上昇の最大要因
企業の業績が堅調に推移している場合、株価は素直に反応します。
売上高や営業利益の増加、通期見通しの上方修正などは投資家にとってポジティブな材料であり、企業価値の向上と評価されるからです。
とくに、旅行需要が回復基調にある中で、競争力のあるサービスや収益構造の改善が見られる企業は、好業績を背景に株価を押し上げる傾向があります。
未来の成長期待が投資家の注目を集める理由
直近の業績が平凡でも、将来的な成長戦略が明確である企業には、投資家の期待が集まりやすくなります。
たとえば、インバウンド需要への対応や新たな収益モデルの構築が示された場合、市場はそれを先取りして株価を評価します。
旅行業界においても、海外展開やデジタル化といった取り組みが、将来の収益拡大につながると見なされれば株価上昇のきっかけとなります。
投資家の買いが集中し市場心理が良好に
需給バランスも株価に大きな影響を与えます。好材料の報道やメディアでの紹介などをきっかけに、短期間で買いが集中するケースでは、実態以上に株価が押し上げられることもあります。
また、全体相場がリスクオンムードにあるときは、成長期待のあるセクターや話題性のある銘柄に資金が流れやすく、ポジティブな市場心理が株価上昇を後押しする要因になります。
株価が下落している銘柄に見られる3つの主な原因

今回の調査対象である旅行関連銘柄6社は、いずれも2024年から2025年にかけて株価が下落しています。
下落の背景には、業績の悪化だけでなく、業界全体に広がる不安や投資家心理の変化も関係しています。
ここでは、株価が下落しやすい主な理由を3つに分けて解説します。
業績悪化や赤字転落によるネガティブ評価
企業の収益力が低下した場合、株価はそのマイナス評価を受けて下落します。
特に、赤字転落や減収減益といった決算結果が出た場合、将来の成長への期待が薄れ、投資家が資金を引き上げる動きにつながります。
旅行業界では、円安や原油高、海外情勢の不透明感なども業績の圧迫要因となることが多く、こうした外部環境も含めてネガティブな評価が強まりやすくなります。
業界や市場全体の不安材料が広がる影響
個社の努力とは無関係に、業界全体に不安感が広がると株価は下落しやすくなります。
たとえば、世界的な景気後退懸念や自然災害、国際情勢の悪化などは旅行需要全体を冷え込ませる要因となります。
市場が「旅行業界全体の先行きに不透明感がある」と判断すれば、安全資産へ資金が移動し、セクター全体の株価が調整局面に入ることもあります。
投資家の期待外れによる失望売りの発生
事前に期待が高かったにもかかわらず、実際の成果がそれに見合わなかった場合、株価は大きく下げる傾向があります。
とくに、事業拡大や新規施策が発表された後に具体的な成果が出ていない場合、投資家は「思ったほどではなかった」と感じ、ポジションを解消する動きが広がります。
こうした「期待外れ」の状態は、短期的に株価の急落を招く要因となりえます。
まとめ
2025年8月時点では、旅行関連銘柄の株価は全体として下落傾向にありました。
インバウンドや国内旅行の需要は戻りつつあるものの、株価にはその回復が十分に織り込まれていないことがわかります。
とはいえ、業績改善の兆しが見え始めている企業も存在しており、市場の反応が遅れている可能性もあります。
足元では慎重な見方が多い中で、旅行業界が中長期的に再成長していけるかどうかは、今後の動向次第といえるでしょう。
今はまさに「再出発の準備期間」といった局面にあると考えられます。