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旅行業界において、日々の業務を支える根幹ツールが「GDS(Global Distribution System)」です。
航空券やホテル、レンタカーなどの予約を一括で管理できるこのシステムは、旅行会社の現場で欠かせない存在となっています。
しかし、その仕組みや種類について詳しく理解している方は意外と少ないかもしれません。
本記事では、GDSの基本的な概要から主要プロバイダーの特徴、そしてGDS関連の仕事に必要なスキルや知識までを、業界経験者の視点でわかりやすく解説します。
旅行業界への就職・転職を検討している方にとって、必見の内容です。
コンテンツ
GDSとは?旅行会社に欠かせない予約システムを基礎から解説
旅行業界で働くうえで避けて通れないのが「GDS(Global Distribution System)」の理解です。
業務の根幹を支えるこの予約システムは、航空券の手配からホテル予約までを一括で行える強力なツールです。
ここでは、GDSの基本的な仕組みと役割を実務上の使われ方を交えてわかりやすく解説します。
世界中の航空会社やホテルを予約できるコンピューターシステム
GDS(Global Distribution System)は、世界中の航空会社、ホテル、レンタカー会社などの予約情報を一元的に管理し、リアルタイムで検索・予約ができるコンピューターシステムです。
旅行会社はGDSを通じて、顧客の要望に合った最適なフライトや宿泊先をスムーズに手配できます。GDSが普及する以前は、各サービス提供者ごとに個別の手配が必要でしたが、現在はGDSが橋渡し役となり、業務効率が大きく向上しました。
特に国際線の航空券予約では、複数の航空会社を横断して空席や運賃情報を検索できる点が強みです。

航空券の予約業務において、GDSを導入していない場合、旅行会社は個別に各航空会社とのシステム連携を構築する必要があります。このような連携にはシステム開発・保守・運用に関わる多大な工数とコストが発生し、業務効率の低下にもつながりかねません。

GDSを導入することで、旅行会社は各航空会社ごとに個別のシステム連携を行う必要がなくなり、システム開発・運用にかかるコストを大幅に削減できます。さらに、業務の一元化により、予約手配のスピードと精度も飛躍的に向上します。
GDSとCRSの違いをわかりやすく比較
GDSと混同されやすいシステムに「CRS(Central Reservation System)」があります。両者は予約システムという点では共通していますが、その役割と範囲に大きな違いがあります。
CRSは主に一つの航空会社やホテルチェーンなど、特定のサービス提供者が自社商品の予約・在庫管理を行うためのシステムです。
一方、GDSは複数の航空会社や宿泊施設の情報を横断的に扱う、第三者的な配信ネットワークです。
つまり、CRSが「自社専用の予約窓口」であるのに対し、GDSは「業界全体の共通プラットフォーム」として機能しています。
旅行会社では航空券の予約・発券に使用している
旅行会社の現場では、GDSは航空券の予約・発券業務において不可欠なツールとして活用されています。
カウンター業務、法人営業、団体旅行の手配など、さまざまな業務でまずGDSを使用し、顧客の要望に最適な便を検索し、予約や運賃の確認、発券手続きを行います。
操作には独自のコマンド入力が必要なため、オペレーターには専門的な知識とスキルが求められます。また、発券業務には複雑な料金計算や金銭管理が伴うため、専門部署を設けている旅行会社も少なくありません。
旅行会社にとって、GDSを扱える人材はまさに即戦力といえます。
GDSを提供する代表的な企業

GDS(Global Distribution System)を提供する企業は、1社だけではありません。
ここでは、代表的な4つのGDSプロバイダーについて、それぞれの特徴や市場での立ち位置をご紹介します。
Amadeus(アマデウス)

Amadeusは、世界的に有名なGDSプロバイダーで、航空券の予約や発券、ホテルの手配など、多岐にわたるサービスを提供しています。特にヨーロッパ市場でのシェアが大きく、そのシステムは使いやすさと柔軟性に優れていると評価されています。
またAmadeusは、航空業界の大手企業との密接な連携により、グローバルスタンダードのプラットフォームを構築。現在では約190ヶ国以上で利用されています。
日本航空(JAL)でも予約システムにも採用されており、Amadeusの「Alteaシステム」稼働中です。
Travelport(トラベルポート)
Travelportは、アメリカ発のGDSプロバイダーで、主に航空券の予約・発券システムを中心に多様なサービスを提供しています。特に北米およびアジア太平洋地域において強い影響力を誇り、これらの市場のニーズに応じた高度な機能を提供しています。
また、TravelportはAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を活用し、WEBサイト経由で旅行者がシステムにアクセスできる仕組みを提供しています。
このシステムにより、専門的な知識がなくても、旅行者自身が直感的に利用できるよう、裏方で動作するシステムとして多くの場面で活用されています。
Infini(インフィニ)

Infiniは、日本発のGDSプロバイダーで、特にアジア市場において強い影響力を誇ります。
最近では、ANA(全日本空輸)が日本市場における推奨GDSとしてInfini(インフィニ)を選定したことを発表しており、その信頼性と導入実績が高く評価されています。
また、Infiniは、格安航空会社(LCC)の予約にも強みを持っており、LCCの航空券手配をスムーズに行うことができる点が特徴です。
これにより、特にアジア圏で多様な航空会社を取り扱う旅行会社にとって、非常に重宝されるGDSとなっています。
Sabre(セーバー)
Sabreは、アメリカに本社を構えるGDSプロバイダーで、世界160か国以上の顧客にサービスを提供するグローバルなネットワークを誇り、旅行業界において高い影響力を持っています。
ベトナム航空や急成長を遂げているベトジェットエアなど、アジア市場を中心とした多くの航空会社の予約も可能です。
Sabreの最大の特徴は、旅行業界の効率化とデジタル化を推進するために搭載された先進的なテクノロジーです。AI(人工知能)を駆使したパーソナライズ体験や、需要予測に基づいた最適な旅行商品提案など、ユーザーにとってより効果的でカスタマイズされたサービスを提供しています。
GDSを使いこなすために必要な知識とスキル

GDSを効果的に活用するためには、いくつかの専門的な知識とスキルが求められます。
ここでは、GDSを使いこなすために必要な主要なスキルを解説します。
2レター・3レターコードを覚える
GDSを使いこなすために最初に覚えるべき基本的な要素の一つが、航空会社や空港を識別するための2レターおよび3レターコードです。
2レターコードは、IATA(国際航空運送協会)が定めた航空会社の識別コードです。例えば、ANA(全日本空輸)の2レターコードは「NH」です。
一方、3レターコードは空港を識別するためのコードで、例えば成田空港のコードは「NRT」となります。
世界中のすべての航空会社と空港には、固有のコードが割り当てられています。
これらのコードは、GDSで予約や発券を行う際に頻繁に使用されるため、旅行業界で働く者にとって必須の知識です。GDSを使いこなすためには、これらの基本的なコードをしっかりと覚えておきましょう。
2レター・3レターコードの詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。詳細を知りたい方は、合わせてご覧ください。
航空運賃ルールと計算方法の基礎知識を学ぶ
GDSは空席状況や料金の計算をシステム上で行うことができますが、航空運賃ルールや運賃計算方法に関する基本的な知識を理解しておくことが必要不可欠です。
運賃ルールには、予約変更やキャンセルポリシー、運賃クラス、最小滞在日数など、さまざまな条件が含まれます。これらを十分に理解せずに顧客に案内を行うと、後々クレームに繋がることが多いです。
また、運賃ルールは基本的に英語で表示されるため、内容を把握できる程度の英語力が求められます。ただし、使用される表現は決まっているため、英語に自信がなくても、一度覚えてしまえば問題なく対応が可能です。業務を始めたら、抵抗感を持たずに学んでいきましょう。
実務で使うGDSコマンド操作を覚える
GDSを使いこなすためには、システム内で使用されるコマンド操作に習熟することが必須です。多くのGDSでは、特定の命令やコマンドを入力して情報を検索したり、予約の作成を行います。
例えば、Amadeusを利用して空席の照会をする場合は以下のようなコマンドをつかいます。
01月01日発 成田発 ホノルル行き 日本航空(JL)のフライトと空席を照会
コマンド操作を効率よく使いこなすことができれば、業務のスピードや正確性が格段に向上します。
最初は操作が難しく感じるかもしれませんが、日々の実務で繰り返し使うことで、GDS操作に習熟していきましょう。
GDS関連企業への就職・転職を目指す人向け!主な仕事内容

GDS関連企業では、多岐にわたる職種が存在し、それぞれが旅行業界の効率化に貢献しています。
これからGDS関連企業への就職や転職を目指す方々には、各職種で求められる知識やスキルを理解することが大切です。
ここでは、GDS関連企業での主要な職種とその仕事内容について詳しく解説します。
営業職|GDS導入を提案・拡販する
GDS関連企業の営業職は、主に旅行会社に対してGDSの導入を提案し、拡販を行う役割を担います。
企業のニーズに合わせて、GDSがどのように業務を効率化するか、コスト削減に貢献するかを説明し、契約を結びます。
営業担当者は、旅行業界の動向やシステムの仕様に詳しくなければならず、クライアントとの信頼関係を築くための高いコミュニケーション能力も求められます。
また、GDSの導入後も、サポートやアフターサービスを通じて、クライアントの満足度を維持することが求められるため、営業活動には幅広い知識が必要です。
カスタマーサポート職|旅行会社からの問い合わせ対応
カスタマーサポート職は、旅行会社がGDSを利用する際に発生するさまざまな問題や疑問に対応する役割を担います。
具体的には、システムの使い方や操作に関する質問に答えたり、予約の不具合や発券のトラブルを解決したりします。
カスタマーサポート担当者は、GDSに関する深い知識とともに、迅速かつ丁寧な対応能力が求められます。また、サポート業務を通じて得たフィードバックを商品改善に活かすことも重要な役割の一つです。
エンジニア職|GDSの開発・保守を担う
エンジニア職は、GDSの開発および保守を担当します。GDSは非常に高度で複雑なシステムであるため、常に最新技術を取り入れて性能の向上やセキュリティ強化に努めることが求められます。
さらに、ユーザーの利便性を向上させるための新機能の追加や既存機能の改善、効率的なデータ処理を実現する仕組みづくりも重要な業務です。
なお、外資系企業の場合、日本国内には開発拠点が設けられていないことも多く、採用が行われていないケースもあります。就職・転職を考える際には、各企業の募集要項を確認してください。
旅行業界の求人を探すのにおすすめのサイト

旅行業界での仕事に興味がある方は、まずどのような会社がどんな求人を出しているのかを知ることから始めてみましょう。
今すぐ就職や転職を考えていなくても、事前に情報を集めておくことで、いざ活動を始める際にスムーズに進められます。
ここでは、旅行業界への就職・転職におすすめのエージェントをご紹介します。
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まとめ
旅行会社の業務において、GDSは航空券の予約・発券をはじめとした中核的な業務ツールです。
主要プロバイダーの特徴や、実務で求められるスキルを理解することで、業界への理解が一段と深まります。
また、GDS関連企業では営業・サポート・エンジニアなど多岐にわたる職種が存在し、それぞれに専門知識が求められます。
これから旅行業界への就職・転職を目指す方は、本記事を参考に、GDSの基礎知識をしっかりと身につけていきましょう。