台風や大雪で旅行会社ツアーは無料キャンセルできる?条件と対処法を徹底解説

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旅行の計画は、個人手配かツアーかを問わず、台風や大雪などの予期せぬ自然災害により催行が困難になる場合があります。

特に日本は気候的に台風や大雪の影響を受けやすく、楽しみにしていた旅行に行けなくなるケースが少なくありません。

こうした状況に備え、災害発生時の適切な対応や権利について正しい知識を持つことが重要です。

本記事では、旅行会社が企画・販売するツアー(募集型企画旅行)において、無料でキャンセルできる条件や判断基準を解説します。

また、具体的な事例をもとに、各ケースでの対応方法についても詳しくご紹介いたします。

ツアー(募集型企画旅行)の無料キャンセルは「解除権」で判断される

そもそも「募集型企画旅行」とは何か?

そもそも今回のテーマである「募集型企画旅行」とは、旅行会社があらかじめ目的地・日程・交通・宿泊・料金などを企画し、不特定多数の参加者を募集する旅行形態を指します。

例えば「〇〇航空で行く!韓国3泊4日の旅」や「温泉満喫と絶景めぐり2日間」といった商品名で販売されるもので、一般的にはツアーやパッケージツアーと呼ばれています。

旅行業約款に基づき契約内容が統一されているため、料金や行程、キャンセル規定などが事前に明確化されており、旅行者は提示された条件で参加契約を結ぶことになります。

「解除権」による無料キャンセルの条件と判断基準

募集型企画旅行は、国土交通省が定めた「標準旅行業約款」に沿って催行されます。

標準旅行業約款>募集型企画旅行契約の部>第四章 契約の解除

2 旅行者は、次に掲げる場合において、前項の規定にかかわらず、旅行開始前に取消料を支払うことな
く募集型企画旅行契約を解除することができます。

三 天災地変、戦乱、暴動、運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止、官公署の命令その他の事由
が生じた場合において、旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となり、又は不可能となるおそれが極め
て大きいとき。

引用:標準旅行業約款|国土交通省【PDF】

この約款には、旅行契約の「解除」に関する規定が設けられており、その一つが「解除権」です。

解除権は、地震・台風・大雪などの不可抗力によって旅行の安全かつ円滑な実施が不可能になった場合に適用され、旅行者と旅行会社の双方が契約を無料で解除できる仕組みです。

適用の可否は、交通機関の運休状況、現地の安全性、ツアー行程の維持が可能かどうかといった複数の要素を基に、旅行会社が総合的に判断します。

解除権の発生は旅行会社が判断を行います!自己判断は絶対にしないようにしましょう!

次の章では、実際の事例を交えながら、どのような状況でツアーを無料キャンセルできるのかを詳しく解説します。

ツアー(募集型企画旅行)は無料キャンセルできる?ケース別の適用条件を解説

解除権の仕組みについて理解が深まったところで、ここからは代表的なケースにおいて、旅行会社が一般的にどのような判断を下すのかを解説いたします。

旅行者自身も正しい知識を持つことで、トラブル発生時に冷静かつ適切に対応できるように備えていきましょう。

飛行機が欠航した場合

台風や大雪に限らず、飛行機が正式に欠航となった場合は、旅行会社がツアーの催行が困難と判断し、無料キャンセルが認められることが一般的です。

これは旅行当日の欠航だけでなく、事前に欠航が判明した場合も同様に適用されます。

また、旅行会社から振替便の提案がある場合もあり、旅行者がその条件に納得すれば、新しい便での旅行参加も可能です。

飛行機が遅延した場合

飛行機の遅延だけでは必ずしも無料キャンセルが認められるわけではありません。

遅延時間が長時間(目安として6時間以上)で、旅行の安全かつ円滑な実施が著しく困難と判断された場合に限り、解除権の適用が検討されます。

特に日付をまたいで旅行日数が短縮される場合などは、無料キャンセルが認められるケースが多いです。

ただし、遅延時間の判断はその場の状況によることが多いため、必ず旅行会社に確認することが重要です。

台風や大雪で公共交通機関が運休し空港へ行けない場合

公共交通機関の運休により空港へ行けない場合でも、飛行機自体が通常運行している場合は、原則として解除権の適用対象とはなりません。

特にツアーの出発地まで自ら飛行機などを手配して移動する場合は自己責任となるため、注意が必要です。

天候不良だけでなく、遅延などで集合時間に間に合わないケースもよく見られます。

こうしたトラブルを避けるためにも、余裕を持った計画と早めの行動を心がけることが重要です。

旅先でデモ・テロ・感染症発生の恐れがある場合

テロやデモなどによって現地で安全に旅行を継続することが困難と判断される場合、無料キャンセルが認められるケースが多くあります。

判断の基準としては、外務省が発表する「海外安全情報」が主に参考にされます。

ただし、ニュースやSNSでの報道のみでは解除権の適用対象とはならない点に注意が必要です。

最終的には旅行会社が総合的に判断を下しますので、状況に応じて確認を行いましょう。

「海外安全情報」とは?

海外安全情報とは、外務省が日本人海外渡航者の安全確保を目的に発表している情報です。

国や地域ごとに治安や自然災害、感染症などのリスクを評価し、4段階の危険レベル(レベル1~4)で注意喚起を行います。

  • レベル1:十分注意してください。
  • レベル2:不要不急の渡航は控えてください。
  • レベル3:渡航を止めてください(渡航中止勧告)。
  • レベル4:直ちに退避し渡航を止めてください(退避勧告)。

※公式サイト:海外安全ホームページ: 海外安全情報

航空会社のストライキにより飛行機が欠航する可能性がある場合

航空会社によるストライキは国内では稀ですが、海外の航空会社では時折発生するケースがあります。

ストライキによる欠航が正式に確定するまでは、解除権は発生しません。

つまり、欠航が確定していない段階での無料キャンセルは認められないため注意が必要です。

また、旅行中に欠航のリスクがある場合でも、事前に確定していなければ無料キャンセルはできません。

最新情報をこまめに確認し、状況に応じて速やかに旅行会社へ相談することが重要です。

まとめ

台風や大雪などの不可抗力による旅行中止や変更は、国土交通省が定める標準旅行業約款に基づき「解除権」の対象となる場合があります。

適用には、交通機関の運休や現地の安全性、行程維持の可否など複数の条件が関わり、最終判断は旅行会社が行います。

天候や社会情勢による影響が予想される場合は、自己判断でキャンセルせず、まず旅行会社に状況を確認することが重要です。

正しい知識と早めの情報収集が、不要なキャンセル料を避け、安心して旅行計画を立てるための第一歩となります。

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Tak(サイト管理人)

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日本の大手旅行会社に約9年間勤務。 販売・商品企画・仕入れ業務に加え、海外駐在など多岐にわたる実務経験を積んできました。 過去の経験を活かし、旅行業界の仕組みや、旅に役立つ実践的な情報をわかりやすく発信しています。

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