【2025年度】主要旅行会社の売上ランキングを徹底解説!旅行取扱額から業界動向を読み解く

業界のリアル&未来予測
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最近、旅行の計画を立てていて「ツアー代金が以前より高くなったな」と感じることはありませんか。

実はその実感の正体を裏付ける最新のデータが、2026年6月15日に観光庁から発表されました。

今回公表された「2025年度(令和7年度)主要旅行業者の旅行取扱状況年度総計」によると、主要旅行会社の総取扱額は前年比105.3%を記録しており、数字の上では旅行業界が活気を取り戻しているように見えます。

しかし、このデータを元業界人の目で詳しく読み解いていくと、単なる旅行ブームの再来とは言えない現在の旅行業界が抱えるリアルな課題が浮かび上がってきました。

この記事では、今回発表された最新の売上ランキングを海外旅行や国内旅行などの部門別に詳しく紹介しながら、不動の王者であるJTBが断トツの1位を維持し続ける理由に迫ります。

さらに、売上額は伸びているのに実際に旅行へ行く人数は減少しているという、一見すると奇妙な現象のカラクリについてもプロの視点から分かりやすく解説していきます。

就職や転職活動のために業界研究を進めている方はもちろん、これからの旅のトレンドを先取りしたい方もぜひ最後までお付き合いください。

この記事でわかること

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【2025年度:総計】主要旅行会社の旅行取扱状況

2026年6月15日に観光庁から発表された最新データをもとに、まずは旅行業界全体の縮図とも言える「総計データ」から詳しく見ていきましょう。

このセクションでは、そもそも観光庁が発表するこの統計の定義である「旅行取扱額」とは何を指すのかという基本から、国内・海外・インバウンド市場のリアルな最新バランスまでを分かりやすく解説します。

主要旅行会社の旅行取扱額ってなに?

旅行取扱額とは、旅行会社が販売したツアー代金や航空券、ホテル宿泊費などの「総売上高」に該当するものです。旅行者が支払った金額の総額を表しています。

本統計は、日本の観光業界を牽引する主要旅行業者43社・グループの旅行取扱状況をまとめたものです。

そのため、この数字を見ることで「今、どの旅行会社がどれだけ多くの旅行決済を動かしているのか」という、各社の市場シェアや業界内での本当の規模感を正確に把握することができます。

国内・海外・インバウンドの総合計は前年比105.3%増

2025年度の総合計は3兆9,750億円を超え、前年比105.3%と順調な伸びを見せました。

特に際立つのが前年比112.9%となったインバウンド(訪日外国人旅行)の勢いと、同107.1%を記録した海外旅行の復調です。

金額ベースで見れば、旅行業界全体の活気が力強く戻ってきたことを証明するポジティブな結果と言えるでしょう。

区分2025年度(千円)2024年度(千円)対比(%)
海外旅行1,430,911,5971,336,657,139107.1
インバウンド250,187,254221,553,828112.9
国内旅行2,293,950,7022,217,332,447103.5
合計3,975,049,5563,775,543,415105.3

募集型企画旅行は前年比より売上増だが、取扱人数は減少

パッケージツアー(募集型企画旅行)のデータには、現在の市場の歪みが顕著に現れています。

取扱額は全体で前年比102.8%と増加しているにもかかわらず、ツアーに参加した人数は前年比91.9%へと減少しているのです。

つまり、「旅行に行く人は減っているのに、売上だけが伸びている」という状態です。

特に分母の大きい国内旅行の人数が約91%まで落ち込んでおり、旅行離れが進む裏で単価だけが上がっている実態が見えてきます。

募集型企画旅行:取扱額

区分2025年度(千円)2024年度(千円)対比(%)
海外旅行343,155,302296,224,531115.8
インバウンド2,656,0572,403,139110.5
国内旅行891,588,524905,107,49698.5
合計1,237,399,8831,203,735,167102.8

募集型企画旅行:人数

区分2025年度(人)2024年度(人)対比(%)
海外旅行897,224805,386111.4
インバウンド111,284114,35997.3
国内旅行21,943,77324,054,24291.2
合計22,952,28124,973,98791.9

2025年度の旅行取扱額はJTBが断トツ1位

2025年度の会社別ランキングでは、JTBが1兆3,784億円を売り上げ、2位以下に圧倒的な差をつけて首位に君臨しました。

2位のHISや3位の阪急交通社も前年比106〜111%と高い伸び率を見せて健闘していますが、JTBの規模はその3倍以上という異次元の強さです。

強力な法人営業基盤や全国的な店舗網、底堅いブランド力が、時代の変化の中でも他の追随を許さない圧倒的なシェア維持に繋がっています。

会社名2025年度(千円)2024年度(千円)対比(%)
JTB1,378,431,5161,312,049,065105.1
エイチ・アイ・エス381,985,907359,763,402106.2
阪急交通社370,931,885333,994,319111.1
(株)日本旅行363,288,564360,630,102100.7
KNT-CTホールディングス351,548,797333,896,476105.3
東武トップツアーズ(株)142,161,235120,165,484118.3
(株)ジャルパック111,253,060118,582,22893.8
エアトリ107,088,670105,066,659101.9
(株)ジェイアール東海ツアーズ77,435,21966,979,467115.6
名鉄観光サービス(株)76,387,31376,176,694100.3

【2025年度】海外旅行・国内旅行別の取扱額の状況

総合ランキングに続いて、ここでは「海外旅行」と「国内旅行」それぞれのマーケットに焦点を当て、それぞれの取扱額トップ10の企業を詳しく見ていきましょう。

海外旅行の旅行取扱額1位〜10位の会社

海外旅行部門ではJTBが首位を維持していますが、2位のエイチ・アイ・エスも3,000億円の大台に乗り、上位2社が市場を大きく牽引しています。

また、3位の阪急交通社が前年比114.8%、4位のKNT-CTホールディングスが同115.1%、10位のHTB-BCDトラベルが同113.6%を記録するなど、トップ10の多くの会社が前年を大きく上回る高い伸び率を見せているのが特徴です。

会社名2025年度(千円)2024年度(千円)対比(%)
JTB370,900,347343,594,135107.9
エイチ・アイ・エス304,981,712287,859,688105.9
阪急交通社(2社計 *5)190,637,044165,993,364114.8
KNT-CTホールディングス106,733,72492,762,558115.1
(株)日本旅行81,078,43180,560,298100.6
日新航空サービス(株)37,088,19736,516,022101.6
エアトリ35,747,74441,081,69487.0
エムオーツーリスト(株)34,784,26432,788,848106.1
郵船トラベル(株)33,255,41232,870,076101.2
(株)HTB-BCDトラベル29,207,06525,701,434113.6

国内旅行の旅行取扱額1位〜10位の会社

国内旅行部門では、JTBが8,842億円という圧倒的な取扱額で首位を独走しています。

2位の日本旅行、3位のKNT-CTホールディングスも手堅く前年超えをキープしました。

注目すべきは、前年比121.2%と驚異的な伸びを見せた5位の東武トップツアーズや、同116.1%のジェイアール東海ツアーズです。

一方で、海外部門で2位だったエイチ・アイ・エスが国内では10位にとどまっている点など、会社によって得意とするマーケットや取扱バランスの特徴が色濃く現れる結果となっています。

会社名2025年度(千円)2024年度(千円)対比(%)
JTB884,276,867867,532,376101.9
(株)日本旅行241,873,472232,897,293103.9
KNT-CTホールディングス218,833,477214,611,738102.0
阪急交通社171,197,315160,952,987106.4
東武トップツアーズ(株)107,473,52388,678,076121.2
(株)ジャルパック95,264,868100,955,68294.4
(株)ジェイアール東海ツアーズ75,447,41665,006,247116.1
名鉄観光サービス(株)61,866,79562,496,29099.0
エアトリ61,838,77558,813,110105.1
エイチ・アイ・エス60,606,42057,454,475105.5
JAL 日本航空 国際線航空券

【2025年度】旅行取扱額からみる、旅行業界の動向を考察

ここまで紹介してきた2025年度のランキングや各種データをもとに、現在の旅行業界で何が起きているのか、その動向をプロの視点から詳しく考察していきます。

表面的な数字だけでは見えてこない、旅行マーケットのリアルな変化を4つのポイントに分けて紐解いていきましょう。

旅行需要に関しては2024年と比較してほぼ横ばい

取扱額(売上)の合計金額だけを見ると、前年比105.3%と業界全体が大きく成長しているように感じられます。

しかし、実態としては旅行に行く人々の動き自体が活発になったわけではなく、マーケット全体の需要としては2024年と比べてほぼ横ばい、あるいはやや停滞気味に推移していると捉えるのが自然です。

決して「旅行者が急増して業界が大好況に沸いている」という状況ではない点に、この統計を読む難しさがあります。

取扱額増加の背景には、旅行代金そのものの値上がりが影響

では、なぜ旅行需要が横ばいなのに全体の売上が増えているのでしょうか。

その最大の理由は、ホテル宿泊費や航空券、人件費の高騰に伴う「旅行代金そのものの値上がり(単価の上昇)」です。

つまり、旅行会社が販売する商品自体の価格が上がったため、動いた人数が同じ、あるいは少なくても、結果として最終的な取扱額の合計が前年を上回るという現象が起きているのです。

国内旅行の取扱人数が減っている点は注目

今回発表されたデータの中で、最も注目すべきなのがパッケージツアー(募集型企画旅行)における「国内旅行の取扱人数が前年比91.2%」と大きく落ち込んでいる点です。

これは、国内の物価高や宿泊料金の高騰が、個人の国内旅行への心理的ハードルを上げている証拠と言えます。

高価格化についていける一部の層が売上を支える一方で、一般の旅行者の「旅行離れ」や「旅行回数の削減」が進んでいる実態が浮き彫りになりました。

本統計はOTA経由の個人予約は含まれていない点に注意

最後に重要なポイントとして、観光庁のこの統計には「楽天トラベル」や「じゃらん」、外資系の「Booking.com」といったオンライン専門旅行会社(OTA)経由での個人手配ツアーや宿泊予約の多くが含まれていません。

JTBや日本旅行などの店舗型・従来型の旅行会社でツアーを組む人が減る一方で、ネットで安く賢く個人手配する動きはさらに加速していると考えられます。

データを見る際は、あくまで「主要旅行会社43社・グループの数字である」という前提を忘れてはなりません。

まとめ

2026年6月15日に観光庁から発表されたデータによると、総合ランキングではJTBが断トツのトップを維持し、海外ではHIS、国内では日本旅行やKNT-CTが上位を堅守しました。

業界全体の売上は前年を上回りましたが、パッケージツアーの取扱人数が減少している点は見過ごせません。

この売上増の背景には旅行需要の拡大ではなく、物価高や円安に伴う「旅行代金の値上がり」が大きく影響しています。

元旅行会社社員として考察すると、現在の旅行業界は価格高騰の中で「高くても価値を感じる層」に支えられている過渡期にあります。

また、本統計にはオンライン専門旅行会社(OTA)の数値が含まれていないため、実態は店舗型からネット予約へのシフトがさらに加速しているはずです。

各社がこの高価格化の中でいかに独自の付加価値を提案していけるのか、今後の動向に注目していきましょう。

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